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2006年11月20日 (月)

さかいめ その2

「あどー。大阪駅まで、どう行けばいいかわからないんですけど」
そいつがそう言ったのを聞いて、年配の社員が、地図をコピーしはじめた。
正確に言えば、その人物の面接をした社員である。おそらくは、採用決定したのもその人だったろうと思う。
幼稚園児じゃあるまいし、どうしてそこまで甘やかすのかと思ったが、
「行ったことないのかもしれないし……」
年配社員はぼそぼそと言った。
だからさ、行ったことなくても、路線図見ればわかるだろ。
教える方も教える方だ。

細かいことを並べるときりがないが、とにかくこの新人はバカだった。
電気の会社に自ら入ってきて、(少なくとも私はそう聞いた)オームの法則の計算ひとつまともにできないし。
30個程度の部品の数を数えさせたら間違うし。
A→B→Cという流れで作業手順を説明しても覚えられず、Aが終わったらBの説明、Bが終わったらCの説明、という風にしないと作業できないのだった。

もしかしてこいつ、脳に障害があるんじゃないのか。
私は次第にそう思い始めた。
頭が悪いにもほどがある。
トロいとか、覚えが悪いとか、そういうレベルではない。
もしかすると、こいつは障害者雇用促進で採用したのではないのか。
大阪府かどこからかの助成金目当てで。
そうとでも考えないと理解できないほど、そいつの行動や言動は30代の大人とは思えないものだった。
実際のところ、こういう人間を採用したとなると、むしろ採用決定した側が責任を問われるのではないか。
また、こういう新人を雇い続けることは、結果として会社の評価を落とすことになるのではないか。
結局、この新人とは約3年間机を並べて業務したが、本当に、ずっとバカのままだった。
その後私が退職したので、その人物が現在どういう状態なのかはわからない。
だが、おそらく大して変わっていないんじゃなかろうか。
まともに人と話せないヒッキータイプだったし、話に入ってくるのはPS2なんかのゲームマシンに関してだけだったし。
日常生活は普通に送れるし、買い物もひとりでできるので、「障害認定」はなされないだろう。だが、精密に脳の検査をすれば、どこかで引っかかる部分があると思う。

「さかいめ」って、どのあたりにあるのだ。

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