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2007年3月31日 (土)

「弩」怖い話4

「弩」怖シリーズ第4弾。ただいま読み始めたところ。
今回は、「見える人」サイドからの描写だそうな。
日常的に「見える」人の場合、怪談はどういうことになるか、という試み。……でいいのかな?

最初の話で、いきなり「脳内の声」ときたもんだ。
うわあ、いきなり統合失調症かよ、と思って読み進めると、ちゃんとそうとは言えない現象が提示される。
これは加藤氏、絶対狙って書いたな、と思ったものだ。

ところで、日常的に「見える」人の場合、「見えるもの」に対して、もはや恐怖感を持たないのだという。
そういう立ち位置で話を書いた場合どうなるかと言えば、つまり、「怖くない怪談」になってしまうのは、ある意味必然だろう。
うん。
今回の「弩」怖は怖くない。
もちろん、当事者の目線でなく客観的に現象を見れば、十分に怖いんだろうし、読者としても「いや、それ平然としている場合じゃないでしょ」と突っ込んだりもするだろうけど。

「見える」怪談で、一つ思い出した創作怪談がある。
ロバート・ブロックの「頭上の侏儒(ずじょうのしゅじゅ)」という話。
低脳の男が語り手。
男は自分の頭の上に「イノック」という生物がいて、そいつが自分に命令して殺人を犯させる、と語る。
精神科医は、もちろんそれを男の妄想と診断する。
(おそらく、読者もこの話はブロックお得意のサイコネタと思うのだ)
精神科医は、「じゃあ、そのイノックは私が預かろう。イノックに言って、私の頭に乗るように言ってくれ」と言う。
男はしばらくぶつぶつとつぶやいた後、「行ったよ」と言う。
男はそのまま病室に収容されるが、少しして、精神科医が血相を変えて病室に飛び込んでくる。
「おまえは本当のことを言っていたのか! 頭の上のこいつが、私に人殺しをしろと命令するんだ!」
そして精神科医はイノックに脳を喰われ、イノックは再び男に戻る。

「見える人」に対して一般の人間が持つイメージをうまく活かした佳作だと思う。
たぶんその影響がどこかにあったのだと思うが、拙作の「見える人」もこの系統の話。

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