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2008年3月 7日 (金)

体験談を怪談に書き起こすとき、特に力を入れる点、慎重になる点は?

「超-1」ブログにて、新著者お三方に対する質問(&それに対する回答)があり、なかなか面白いので、私も便乗。

私の場合、「超」怖い話のように人様の体験談を収集していないので、「ささいな恐怖」において(実話)とカッコ付きで発表している物は、事件の紹介か、私自身の体験談ばかりだ。
なので、「超-1」ブログの回答とは微妙に異なるだろうが、そのあたりはご勘弁を。

まず、実際にあったこと(あるいは、あったと当人が思ったこと)を書く以上、そのときの状況などは正確に、よくわかるように書く。
怪異を描写する場合、何をもってそれに怪異を感じたのか、読者に理解できるように描写する。(あとになってそうであったとわかるように書く場合もあり)
そして、ここ重要。

わざと事実の一部をふせる場合もある。

基本的に、ウソは書かない。
見てもいない化け物を見たとか、部屋の中のものが飛び回ったとか。
だが、後に判明した事実によって、自分の体験が心霊現象でもなんでもないとわかった場合でも、その後日談は発表しない。あるいは、その話を書く時点ですでにその体験の原因がわかっている場合でも、その原因を明確にしない。
具体的には、「私の怖い話」がそう。
本ブログ内にてすでに書いているが、あの話は金縛りの一種であって、心霊現象ではない。
「今日、地下鉄の駅で」でも、真相は私が考えたとおり、前の駅で手から離れた風船が車両の風圧で押されてきたのだろう。
それでも、作中でその謎解きを書かなければ、小粒な不思議ネタとして読んでもらえる(んじゃないかなーってw)

んで、プロアマ問わず、怪談実話を人から取材しようという方が注意すべき事。
それは、「その話の真偽を考えろ」という事。
ハナから疑ってかかれという意味ではない。
体験談を語る人、その人が語る体験談が、そもそも嘘っぱちであることもある可能性も考慮する必要はあるだろう、という事なのだ。
詳しい事は、別冊宝島268「怖い話の本」所収、若一光司氏の「幽霊たちの『構造と力』」を読んでいただきたく。(現在は「伝染する恐怖」というタイトルで文庫化されていたかと)
はしょって言うと、要するに若一氏が聞いた心霊体験談が、全くの作り話であった、というもの。
作り話を語る事によってその人が利益を得たというわけではなく、リップサービスであったらしい。
実話怪談のベースとなる体験談が基本的に追体験不可能なものである以上、体験者と作家が強い信頼関係で結ばれている必要があると思う。
どこかで誰かが書いていた。
「自分の話を信じてくれない人に体験談を語る人はいない」
至言であると思う。
だから、私のところには体験談が集まらない。

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