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2008年8月 3日 (日)

不思議ナックルズを買ってきた

近場で置いているところがなくて、日本橋の電気街に行ってきたので、信長書店で買ってきた。
面白い記事、興味深い記事、「ほう」と思わされる記事、いろいろある中で、「なんだこれ。あったま悪い記事だなあ」と感じたものがいくつかあった。
記事を書いたライターの名を確認すると、どちらも同じ人物であった。
川口友万なる人物がそれなのだが、いったいこのライターは義務教育を受けているのだろうか。受けているとして、きちんと習得したのだろうか。
そう感じるほど、レベルの低い記事であった。
記事はいくつかあるのだが、まずは「コカ・コーラ伝説の真相」。
「コーラを飲むと骨が溶ける」という、今さら感バリバリの記事なのだが、冒頭から少し読み進んだところに、こんな文章がある。

たとえばレモン。たぶん半分以上の人がアルカリ性だと思っていると思うし、僕もそう信じていた。

おい。
その「半分以上」という言葉の分母はなんだ。
日本国民すべてか。
それともお前のまわりにいる知り合い数人か。
頭大丈夫か。
──というか、いまだに「酸性食品・アルカリ性食品」なるものを信じている輩がいるとは。

続いて、「“電磁波”は本当にヤバいのか──?」。
こちらもバカ丸出し。
ライターは秋葉原で購入した台湾製の電磁波測定器を使い、電磁波の強度を測る。
この測定器はタイトル背景画像にもあるので、どういう物か確認できる。
液晶表示右下の単位は、mGとある。
これは磁力の単位であって、電波の強さではない。
(電磁波と言われるだけに、電波と磁界は不可分ではあるのだが)
電波の強さを測るのなら、必要なのは「電界強度計」だ。つっても意味わからんだろ。wikiででも調べるんだな。
で、記事でこれだけ強い電磁波が観測されたと言っているのが、約15mG。
この強度で危ないんですってよ。
そうですか。
ピップエレキバンは800ガウスあるそうですが。桁違いの強度の物を、身体に密着させているわけですが、そのあたりのことについてはどうお考えですか。

さらに笑わせてくれるのが、最後の方のくだり。
「組み込み系ソフトウェアの会社では回路への電磁波の影響を調べるため、強力な電磁場を作る装置に携帯電話を入れて動作を確認するそうだ」
こういうテストは、まあ、あるだろうな。
で、問題はその先。
「電磁波を発生させるなり、瞬間的に異常な睡魔に襲われ、記憶が飛ぶ」んですってよ、奥様。
それってその担当者が睡眠不足だっただけじゃないの? 他の担当者にも確認した? してるはずないよね。ソフト会社って、徹夜がざらとか聞きますが?

専門機関に問い合わせればすぐに確認できることを、ネットの噂やら近所のババアの言葉やらを真に受けたような次元の低い記事を書いていたら、バカなのがばれちゃいますよ。

ちなみに。
「電波」が有害か無害かと訊かれれば、元通信機器メーカー開発部に所属していた立場としては、「有害っちゃ有害」と答えよう。

「ほら見ろお! 有害って言った! 有害って言った!」

はいそこ。サルのおもちゃみたいに手を叩かない。
有害と言っても、都市伝説で言われているように、脳腫瘍の原因となると言うのではない。(それに関しては、今のところ因果関係は不明)
電波を発信している状態のアンテナに手を触れるとか、近づくとかした場合、感電することがある。という程度の有害だ。
アマチュア無線機などは10Wから100W程度の電波を発信するが、このぐらいの強さだと、蛍光灯を近づけると光る。それぐらいのパワーはあるので、注意は必要ざんす。家庭用のコンセントよりも、ちょっと危ない。多少の専門知識が必要であると、そういうこと。

検証しようのない怪現象ならともかく、専門知識がある者から見れば失笑ものの記事を、かくもしゃあしゃあと掲載するとは、不思議ナックルズも落ちたものだな。
どうせ電磁波を扱うのなら、エプロンやシールを貼って防御した気分になっているバカや、携帯基地局の建設で騒いでいる輩を取材した方が、記事としては面白くなると思うんだがねえ。「電磁波都市伝説が招いた弊害」として。

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コメント

電波…いや、電磁波…ですか。
まぁ、「電磁波にまつわる都市伝説」の弊害って、発ガン性が問題にされた、という認識しかなかったですねぇ…。
という個人的な認識から、電磁波の発ガン性を少し…。
いや、えっと、1人のラジコン愛好家的な立場から電磁波のことを少し。(何

 ケース①
そういえば、昔懐かし「100円均一」に面白いものが並んでいるのを思い出しましたよ。
携帯電話(以下ケータイ)に貼り付けるタイプの、「電波を発生させない」らしきシール、パッチの類があったのですが。こんなバカさ加減って私の地元だけかな、と怖かったので少し安心しました。
…って言いますか、電波を発生させないケータイって、通話もEメールもまともにできなくなると思うんですけど。そこらへんはどうしてくれるんでしょう。
「万が一、シールを貼った後で通話やメールができなくなった場合は、シールを剥がすことでできるようになることがあります」と注意書きでもしてくれるんでしょうか。

 ケース②
「ケータイ」を使って、電磁波の影響で耳が遠くなったり、耳近くのDNAが破壊されたりするという話。
…いや、ケータイでなくても、音楽をイヤホンで、かつ大音量とかで聞いていれば難聴になりますよね…? そんなの、耳元で日常的に使うからいけないわけです。通話は控えましょう、ぐらいでいいじゃないですか。…携帯電話で通話するな、って本末転倒のような気がしますけど。
あと、DNAが破壊されるのは日常茶飯事です。別にケータイが悪いわけではないです。普段、人体というのはDNAが破壊されていくのをある程度、自己修復しているのです。DNAの破壊速度が修復速度を上回ったりするとガンになったりするわけですが、はい。単純にDNA破壊されるのは悪い、というわけではないですよ。
「ケータイを使う子どもは小児白血病になりやすい」というネタがあったような気がするのですが、これも実験や統計を通じても「ケータイの電磁波が悪い」という結果を出すに至っていません。「まぁ、関係ないと思うけどあるかもしれないね」ぐらいの結果です。
…そもそも子どもがケータイでDNAが破壊されてガンになる云々、と言うのならば、タバコの煙から子どもを遠ざけるべきだと思うのですが。ケータイの電磁波なんかよりも、タバコの煙の方が性質の悪い発ガン物質ですし、こちら(タバコの煙)は統計的にもいろいろと身体に悪い、とはっきり出てますし。
最近は「嫌煙権」という言葉もできましたし。
何でケータイ(の電磁波)を取り上げるのでしょう…。もっと他にもあるでしょう、発ガン性物質なんて。

 ケース③
「電磁波」という言葉は「犬」という言葉と同じということですよね、やはり。
…いや、わかりづらいですね。「電磁波」という「電磁波」はない、というわけです。
「犬」にはラブラドールレトリーバーだとかラッセルテリアという種類があるように、「電磁波」にも種類があるわけですので、一概に「電磁波は悪い」とは言えないのです。
その意味で、「電磁波」の中には確かに、人体に悪いものもあります。一般的な理解としては、「短波長の電磁波」は身体に悪い、ということがあります。
この「短波長の電磁波」は、主にX線(レントゲンですが)、γ線(ある爆弾で有名です)の辺りで、これは発ガン性を高めてしまうらしいです。…と言っても即効性ではないです。長時間浴びたりすると悪い、というレベルですので、病院でレントゲンを撮るとかは、あまり問題ありません。自然界にも存在しているものも多く、「取り立てて問題にする」ようなレベルのものではないものも多いのです。
というか、問題があればレントゲンなんてもう廃止されてますよね。とりあえず、「俺は写真とかデジカメよりもレントゲンが好きなんだ」というプライドがある人は気を付けましょう。1日に何回、何十回とレントゲン撮影なんてしていると、流石に危険だと思います。
「身体に良い電磁波」があるか、と訊かれると微妙、としか答えられませんね。遠赤外線、マイナスイオンも電磁波ですが、具体的に「こういう効能がある」と言えるものはないです。
…マイナスイオンなんて水が流れていれば台所だろうが風呂場だろうが自然発生するものだったと思いますし。あ、だからって水を流しっぱなし、噴水近くで深呼吸、とかはやめてください。水が流れる場所、というのはレジオネラ菌が発生しやすく、危険です。…まぁ、レジオネラ菌ってどこにでも居るような菌類なので、別に流水が悪いわけではないですが…。

 ケース④
一応、日本国内の情報だけではいけないと思うので補足的に情報を挟んで。IARC(国際ガン研究機関=International Agency for Research on Cancer)では、「電磁波」による発ガン性については、クラス2B(多分発ガンするかもしれないねー)です。
…と言っても「クラス2B」自体がよくわからないと思います。私もよくわからない。
もう少し具体的に言うと、「クラス2B」っていうのはコーヒーやピクルスが含まれるクラスです。


「電磁波」ネタと「遺伝子組み換え食品」ネタって都市伝説すぎて、ハタから見ると嗤…、笑ってしまうものってありますよね…。
特に「電磁波」ネタなんて、踊らされている集団が夕方のニュースで取り上げられてましたが、ああいう集団って今も活動しているのでしょうか?
…そういう集団に言ってやりたかったんです。
「お前さん、自分から出ている電磁波はどうするつもりなんだい?」、と。
…いや、言った後にどう対処してくるのか、なんて想像するだけで興味と恐怖で頭がいっぱいになるので実際には言えませんが。

…ハ!?
あれ、私、ラジコンのこと、ちっとも語ってない!
最近のラジコン戦車はBB弾を12mも飛ばせるんだとか、そういうアツい話を話してな(強制終了

投稿: 上木 秋成 | 2008年8月 3日 (日) 23時59分

記事を書いたものです。読んでいただきありがとうございます。味の素の記事も私なので、ついでに読んでいただけるとうれしいです。

誤解があるようなので、書き手より説明を。

電磁波ですが、あれは電磁波は基本的に無害であるという記事です、誤解なきように。そのためにネズミ駆除器の実験も入ってるし(大学の論文と違って、電磁波、ネズミに効いてないでしょ? だいたいネズミってケーブル齧るじゃん、効くわけがない)、電磁波過敏症も否定してるわけです。ブラックアウトの話は携帯電話で誤作動の検査用に回路に外から高電磁場かける部屋があるそうで、そこでオペレートしていて気絶するっていうんで、その会社のエンジニアは嫌がっていたんですね。それをその会社にいた人と仕事してて、茶飲み話に聞いたのです。僕は電磁波の感受性には閾値があって、有害は有害だけどただその下限は相当に高い値だろうと思っています。というのもJR東海のリニアモーターカー開発チームが防磁にすごく気を使っていて、また市民団体にやいやい言われるからだと思ったら、労働基準法に電磁波の基準があるからだそうです。水だってたくさん飲めば死ぬからね、人間。どんなものも無害とは言い切れないです。ただ何ごとも度合いの問題だと。

あと測定器の値の大小ですが、本文にも15mGが悪いって書いてないですよ。このあたり、実は元になる原稿があって、電磁波を食うサボテンとかの越しに電子レンジの電磁波の強さ測って、全然変わらないとかやってるんですよ。そのあたりまで記事があったらよかったんですが、ご容赦ください。

レモンがアルカリと信じていたバカは僕の周りで5人中4人。ちなみに全員、酸・アルカリの間違いを知っていたのに、レモンをアルカリだと思っていたわけです。ああ、バカばっかり。だからブームの最初に叩いとかないと最初に入った言葉を人間は信じてしまうわけで。

次号ではいわゆる水商売を叩くべく、仕込んでいるので、お手すきな時に立ち読みでもしてお笑いいただければ、売文業として光栄の至りです。

投稿: | 2008年9月21日 (日) 07時10分

実際の執筆者からコメントがされたのは驚いたが、とりあえず追加の反論(あるいは批判)しておこう。

>あと測定器の値の大小ですが、本文にも15mGが悪いって書いてないですよ。

いちいち逃げ口上はいいから、そちらこそ、こっちの記事をよく読んでいただきたい。
秋葉原で売っているようなおもちゃのガウスメータで測って、なんの意味があるのか、と言ってるの。
電磁波(電波)が問題だというのならば、広帯域アンテナと少なくとも数ギガオーダーまでは測定できるスペクトラム・アナライザーを使用し、どの周波数の電波がどれだけの強さかということを示さなくては無意味だと言ってるの。
数値の大小以前に、使っている測定器具がお笑いレベルだと言ってるわけ。
不思議ナックルズなんて与太雑誌に読み捨て記事を書くぐらいだから、まさか高周波系のエンジニアが読むことを想定していなかったんだろうけど。

>あれは電磁波は基本的に無害であるという記事です、誤解なきように。

ほほー、そうですか。
では、記事の最後にある「とりあえず携帯電話を首から下げるのだけはやめようと心に決めたのだ」はなんなんでしょうねえ。

これまでこのブログ内で再三再四書いてきましたが、私は無線機器メーカーの開発部にいたエンジニアの端くれです。ヘタな言い訳は無用。

>僕の周りで5人中4人。

サンプル数5人ですか。
大した調査ですなあ。
本当に、心から思いますが、あなた、まじめに記事を書くつもりあるのですか?
読み捨て記事でいくらの収入になるのか知りませんが、ふざけているにもほどがありますね。
マイノリティを考慮してアンケート結果をひっくり返した石田衣良よりもタチが悪い。
たとえ読み捨て記事とはいえ、嘘でも科学系のネタを書くのならば、最低レベルの一般常識ぐらいは身に付けたらいかが?

>味の素の記事も私

もちろん読んでます。
くだらない記事のライター名を確認していったらすべて同じだったので、失笑しました。
味の素の記事で笑わせていただいたのは、最後のくだり。
あなた、胎盤が医薬品や化粧品に使われているのを知らないんですね。
あげくの果てにシメの言葉が「こんなことばかりやって、狂人病が起きても知らないぞと不安になった」ですか。幼児レベルの煽りですな。

投稿: GIMA | 2008年9月21日 (日) 12時45分

上木様>
はじめまして。
マイナスイオン、遠赤外線という概念も通常の物理の教科書には載ってない造語です。つまり電磁波ではないです。
負イオンとかネガティブイオンとごっちゃにして家電メーカーも製品を売っているのですからひどい話です。
遠赤外線も周波数帯域が定義されているわけでもありません。勝手に定義しているところはありますが。

通信販売で遠赤外線が出て温まり、マイナスイオンで気分爽快になる岩石とか売ってますが、「波動」とおなじようなものですねえ。

投稿: あやかわ | 2008年9月21日 (日) 22時54分

>あやかわ様
ご忠告、ありがとうございます。
以下は説明していなかったもので。

マイナスイオンは確かに「なんちゃってカガク」だと(私は)思っていますし、言葉の指す内容も非常に曖昧ですが。
私の言うマイナスイオンは以前、松下電工さんのカタログで「マイナスイオンとはマイナスの電気を帯びた酸素と空気中の微小な水が結合したもの」と説明書きされていたのを見たので(最近のものではなく、2008年9月頃に見たときのものですが)、それを元にした発言でした。
また、噴水やらレジオネラ菌の話は、マイナスイオンの特集番組で噴水やら温泉で深呼吸することでマイナスイオンの恩恵(どんな恩恵を語っていたのか忘れましたが)を受けることができる、と喧伝していたもので、つい取り上げてしまいました。
マイナスイオンと表現したのは、そこらへんからです。そういえば、確かにマイナスイオンなんてものを明確に説明してくれたものは(あまり)見ていません。…いっそ本気で探してみましょうか。東京大学の教授方はマイナスイオン推奨さんが多いようですし。

遠赤外線は確か、電磁波の一種だったかと思います。
赤外線自体は可視光に当たる赤色より波長が長く周波数の低い、電波よりも波長の短いもので、可視光と電波の中間である電磁波の一種だったかと。これで間違ってると後述のものは全部的外れということになりますが。
それはさておき、赤外線と呼ばれるには近赤外線、中赤外線、遠赤外線という区分けがあり(別としては近赤外線、遠赤外線、超遠赤外線のみっつに区分けするものもあったと思いますが)、その中で遠赤外線は4.0~1000μmのものだったと思います。(別の区分けだと4.0~1000μmという幅は遠赤外線と超遠赤外線ということになります。25μmが遠赤外線と超遠赤外線の境目)
まぁ、確かに赤外線中のこの区分けは学会など、認定する組織で違いました。
ただ、それは勝手な定義というよりはその学会など組織の中で(組織内の限られた一部が)利便を考えて定義しているので、勝手な定義ではないと思います。…身勝手な定義、と言ってもいいような気もしますが。
私的に、『どのみち赤外線中の区分けで「遠赤外線」なんて言っているからどうでもいいか』と簡単に言ってしまいました。申し訳ありません。

指摘のほど、ありがとうございました。
そして私の言い訳、というか反省文は以上です。
これにも間違いがあれば(かなりかいつまんでしまいましたが)、訂正いただきたいです。
私も間違った知識をぶら下げているわけにもいかないので…。
それでは。

P.S.
マイナスイオン商法…とでも言いましょうか。そういうものだと思います。
知り合いは「オカルト風水商売」なんて表現もしていましたが。
「波動」みたいなものというより、『病は気から』ではなく『健康は気から』といったところではないでしょうか。
乱暴ですが、なんちゃってカガクによる新興宗教とか流行り病だと思えばいいかと思います。
…いえ、よくないですけど。(汗

投稿: 上木 秋成 | 2008年9月24日 (水) 00時43分

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